高所作業で最も多い事故とは?原因と安全対策をわかりやすく解説

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高所作業では、わずかなミスが重大な事故につながるおそれがあります。
そのため、建設現場やビルメンテナンス、設備工事など、高所で作業を行う現場では、安全対策が欠かせません。

厚生労働省が公表した令和6年の労働災害発生状況によると、死亡災害の事故の型では「墜落・転落」が188人で最も多いという結果が公表されています。
また、業種別では建設業の死亡者数が232人と最も多く、高所作業における墜落・転落対策の重要性がうかがえます。

この記事では、高所作業で発生しやすい事故の種類や原因、安全対策について、公表されている資料をもとに分かりやすく解説します。

高所作業で最も多い事故は「墜落・転落」

高所作業では、さまざまな労働災害が発生しています。
その中でも最も多いのが「墜落・転落」です。

厚生労働省が公表した令和6年の労働災害発生状況では、死亡災害の事故の型別で「墜落・転落」が188人と最も多く、次いで「交通事故(道路)」「はさまれ・巻き込まれ」と続いています。

厚生労働省「令和6年労働災害発生状況」より

・墜落・転落:188人
・交通事故(道路):123人
・はさまれ・巻き込まれ:110人

出典:厚生労働省「令和6年の労働災害発生状況」

事故の型を整理すると、次のようになります。

事故の型 内容
墜落・転落 高所からの落下や転落による事故
交通事故(道路) 業務中に発生した交通事故
はさまれ・巻き込まれ 機械や設備に身体がはさまれる事故

高所での作業では、墜落・転落を防ぐことが安全管理の基本となります。

墜落・転落事故はどのような場面で起こるのか

墜落・転落事故は、特定の作業だけで発生するものではありません。

例えば、次のような高所作業で発生する可能性があります。

  • 足場での作業
  • 屋根での作業
  • はしご・脚立を使用した作業
  • 開口部付近での作業
  • 高所作業車での作業
  • ロープ高所作業

高所では、一度バランスを崩すと重大な事故につながるおそれがあります。そのため、作業前の安全確認や適切な安全設備の使用が重要です。

墜落事故が発生する主な原因

墜落・転落事故にはさまざまな要因があります。
厚生労働省では、事故を防止するために、安全設備の設置や墜落制止用器具の適切な使用、作業手順の徹底などを重要な対策として示しています。

事故防止のために重要とされている対策は、次のとおりです。

  • 墜落制止用器具を適切に使用する
  • 安全設備を適切に設置する
  • 作業前に設備や器具を点検する
  • 作業手順を遵守する
  • 作業者同士で安全確認を行う

これらを日常的に徹底することが、事故の発生リスクを低減することにつながります。

高所作業の事故を防ぐために必要な対策

墜落・転落事故を防ぐには、墜落制止用器具を着用するだけでは不十分です。

まず検討すべきなのは、作業員が安全に立てる作業床を確保できるかどうかです。
そのうえで、手すりや囲いなどを設け、作業床からの墜落を防止します。

作業床を設けることが難しい場所では、作業内容や高さ、使用する設備に応じて、フルハーネス型墜落制止用器具やロープなどを適切に使用します。
大切なのは、すべての現場に同じ対策を当てはめるのではなく、作業場所と工法に合った方法を選ぶことです。

作業床や手すりを適切に設ける

高所作業では、安定した作業床を設けることが基本です。

足場を使用する場合は、床材の状態や隙間、手すりの設置状況などを確認します。
作業床が設置されていても、床材のずれや手すりの不備があれば、墜落を防ぐ設備として十分に機能しません。

また、作業中に一時的に手すりを外す必要がある場合は、その間の墜落防止措置も必要です。

はしごや脚立は正しい方法で使用する

はしごや脚立は身近な道具ですが、使用方法を誤れば転落につながります。
設置する地面の状態を確認し、安定した場所で使用することが基本です。
天板に乗る、身を大きく乗り出す、不安定な状態で使用するといった行為は避けなければなりません。

短時間の作業であっても、「すぐ終わるから大丈夫」と安全確認を省略しないことが重要です。

高所作業車は機械の能力と作業環境を確認する

高所作業車を使用する場合は、機械の能力だけでなく、設置場所の状態や周囲の障害物も確認します。

傾斜や段差のある場所では車体が不安定になる可能性があります。
また、建物、看板、架空線などが近くにある現場では、作業床を動かした際の接触にも注意が必要です。

高所作業車の運転には、作業床の高さに応じて特別教育または技能講習が必要です。
機械を操作できることと、安全な作業計画を立てられることは別であるため、現場全体を確認してから作業を開始します。

ロープ高所作業ではどのように墜落を防ぐのか

ロープ高所作業では、作業員の身体を保持するメインロープに加え、墜落を防止するためのライフラインを設けます。

メインロープとライフラインは、それぞれを堅固な支持物へ確実に取り付ける必要があります。
また、作業員が安全に昇降できる十分な長さを確保し、ロープや接続器具に著しい損傷や摩耗がないことも確認します。

ロープアクセスは、単に強度のあるロープを使えば成立する工法ではありません。
支持物、ロープ、身体保持器具、接続器具を一つのシステムとして正しく構成する必要があります。

建物の角ではロープを保護する

ロープ高所作業で特に注意したいのが、建物の角や突起物とロープの接触です。
ロープが外壁の角に直接触れた状態で荷重がかかると、接触部分に摩擦が生じます。
そのため、切断のおそれがある場所には、ロープガードや保護材を設置してロープを保護します。

建物の角にロープガードを設置し、ロープの摩耗を防いでいる高所作業の安全対策

見た目には小さな養生ですが、ロープを守るために欠かせない措置です。
現場の形状によって接触する位置は変わるため、ロープを設置したあとではなく、作業計画の段階から確認します。

使用前にロープと器具を確認する

ロープ高所作業では、ロープだけでなく、ハーネス、カラビナ、下降器、バックアップ器具など、複数の器材を組み合わせます。
作業前には、それぞれの器材に損傷、摩耗、変形などがないかを確認します。
また、ロープの設置経路や支持物への接続状態も確認しなければなりません。

一つひとつの器材が正常でも、接続方法や設置位置が適切でなければ、安全なシステムにはなりません。

安全教育と作業前の情報共有も欠かせない

高所作業では、使用する工法に応じた教育や講習が定められています。

代表的なものには、次のような特別教育・技能講習があります。

 ・フルハーネス型墜落制止用器具特別教育
 ・ロープ高所作業特別教育
 ・ゴンドラ取扱業務特別教育
 ・高所作業車運転特別教育
 ・高所作業車運転技能講習

ただし、教育を修了しているだけで、すべての現場へ同じように対応できるわけではありません。

建物の形状、作業範囲、天候、周囲の人や車両の動きは、現場ごとに異なります。
作業開始前に危険箇所や役割分担、作業手順を共有し、作業中に状況が変わった場合は、いったん作業を止めて確認することが必要です。

ライフクルーが高所作業で大切にしていること

ライフクルーでは、ロープ高所作業特別教育やフルハーネス型墜落制止用器具特別教育をはじめ、作業方法に関係する各種教育・講習を修了したうえで高所作業を行っています。
高所作業では、資格や器材をそろえることがゴールではありません。
作業場所を確認し、適切な工法を選び、ロープや器具の状態、設置位置、周囲の環境を確認する。
その積み重ねが事故防止につながります。

ロープアクセスが適している現場もあれば、足場や高所作業車、ゴンドラの方が適している現場もあります。
特定の工法に決めつけず、建物の条件と作業内容に応じて選ぶことが重要です。

まとめ|高所作業では「墜落・転落」を防ぐ対策が欠かせない

厚生労働省の労働災害統計では、死亡災害の事故の型のうち「墜落・転落」が最も多くなっています。
事故を防ぐためには、作業床や手すりの設置、墜落制止用器具の適切な使用、使用器材の点検、作業手順の確認などを確実に行う必要があります。
また、足場、はしご、高所作業車、ロープアクセスでは、必要となる対策が異なります。

高所作業の安全性は、器材一つだけで決まるものではありません。
現場に合った工法を選び、必要な設備と器材を正しく使用し、作業者同士で確認を重ねることが大切です。

高所での清掃や点検を検討する際は、費用や工期だけでなく、作業方法と安全管理体制まで確認したうえで依頼先を選びましょう。

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