2026/10/02
2026年9月、東京はいつもと少し違う秋を迎えました。
東京都心では8月27日から10月1日まで36日連続で降水を観測。
1876年以降の統計で最長となり、9月は毎日降水が観測されました。
なお、これは「36日間ずっと雨が降り続けた」という意味ではなく、各日に降水が観測されたという記録です。
さらに気象庁によると、2026年9月の東日本太平洋側は、地域統計を開始した1946年以降で9月の降水量が最多、日照時間が最少。
月降水量は平年比236%、日照時間は平年比46%という記録的な天候になりました。
こうした時期に、建物で気になってくるのがカビです。
浴室や洗面所だけでなく、壁、天井、外壁、北側の面、家具の裏など、「毎年こんなところに?」という場所で突然見つかることもあります。
そこで今回は、記録的な長雨をきっかけに、なぜ湿気が続くとカビが発生しやすくなるのか、そしてカビ対策のひとつとして使われている光触媒コーティングについて詳しく解説します。
36日連続の降水。
なぜカビに注意したい?
カビにとって重要なのは、単純に「雨が降ったかどうか」だけではありません。
ポイントは、湿った状態が続くことです。
東京都は住宅の室内湿度について40〜60%を目安としており、結露が続くと家具の裏や押入れなど目に見えにくい場所でもカビが大量に発生することがあるとして、換気や湿度管理を勧めています。
(厚生労働省の資料でも、アレルゲンとなる多くのカビは、温度25〜35℃、相対湿度70〜90%程度が生育に適した条件とされています。)
実際、2026年9月の東京都心では、平均湿度が80%を超える日もあり、9月6日は平均湿度95%を記録しています。
もちろん、「36日雨が降ったから必ずカビが生える」という話ではありません。
換気、建物の断熱性、表面温度、結露、漏水、日当たりなど、カビの発生には複数の条件が関係します。
ただ、雨が多く、日照が少なく、乾きにくい状態が続いた2026年9月は、普段より建物の湿気やカビを意識したい環境だったとは言えます。
カビが出やすいのは浴室だけではない
「カビ」と聞くと、多くの方が最初に思い浮かべるのは浴室だと思います。
実際には、それだけではありません。
雨が続いたときに確認したいのは、洗面所や脱衣所、窓まわり、北側の壁、家具の裏、収納内部、外壁やブロック塀などです。
共通しているのは、水分が残りやすい・乾きにくい・空気が動きにくいということ。
例えば窓まわり。
室内の湿った空気が冷えたガラスやサッシに触れると結露し、その水分が長時間残れば、窓枠や周辺の壁紙などでカビが発生しやすい環境になります。
外壁も同じです。
北面や建物の陰、風通しが悪い場所では、雨が止んでも表面が乾きにくいことがあります。
だからカビ対策では、「黒くなったら掃除する」だけではなく、そもそもカビが繁殖しにくい状態をどうつくるかという考え方も重要になります。
そこで光触媒コーティング
という考え方
光触媒コーティングは、光を受けることで働く成分を建材などの表面へ薄く施工する表面処理です。
光触媒にはさまざまな製品がありますが、弊社が使用しているのCLEANEST NFE2光触媒では、光触媒に金属銅などを組み合わせることで、防カビを含む複数の機能を持たせています。
抗かび性試験が行われ、カビの発生を抑える性能が確認されています。
ここで大切なのは、「カビを見つけたら、その上から光触媒を吹けばいい」という話ではないことです。
すでにカビが発生している場所なら、まず現在のカビや汚れを処理する。
そのうえで、きれいになった表面を維持しやすくする方法として光触媒コーティングを使います。
光触媒は、既存の黒カビを塗料のように隠す施工ではありません。
光触媒コーティングは
カビにどう働く?
光触媒コーティングでは、光触媒と銅イオンを組み合わせた設計によって、施工面でカビの発生を抑える用途が想定されています。
室内だけでなく、湿気の強い場所や屋外での施工にも対応した仕様があります。
これは「光触媒」という名前だけで判断するより重要なポイントです。
すべての光触媒製品に、同じ防カビ性能があるわけではありません。
施工を検討するときは、
- どんな性能について試験されているのか。
- 施工したい場所に使えるのか。
- 水がかかる環境に対応しているのか。
こうしたところまで確認する必要があります。
長雨のあとに光触媒を施工すれば、
もうカビは生えない?
ここは誤解してほしくないところです。
光触媒コーティングを施工しても、カビが絶対に発生しなくなるわけではありません。
内部から水が回っている場所。
常に結露している窓まわり。
こうした場所では、まず水分が発生する原因への対応が必要です。
つまりカビ対策の順番は、原因を確認する → 既存のカビを除去する → 必要な環境改善を行う → その後の防カビ対策を考えるです。
光触媒は、この最後の「再びカビが広がりにくい表面環境をつくる」ための選択肢です。
換気や除湿の代わりになるものではありません。
「カビ取り」と「防カビ」
分けて考える
ここは非常に重要です。
すでに真っ黒になった壁をきれいにすることと、きれいになった壁で今後カビを発生しにくくすることは、同じ作業ではありません。
前者はカビ除去・清掃。後者は防カビ対策です。
光触媒コーティングを施工するなら、この順番を逆にしないこと。
表面にカビや油分、ホコリなどが残ったままでは、きれいな下地へ施工することができません。
当社でも、最初からコーティングを吹くのではなく、施工面の状態を確認し、必要であれば清掃やカビ処理を先に行います。
光触媒の性能だけでなく、施工前にどこまで表面を整えるかも仕上がりを左右するポイントです。
室内では「光」の
条件も確認したい
室内へ光触媒を施工するときは、もうひとつ確認したいものがあります。
それが光です。
光触媒は、その名前の通り光を利用する材料です。
一般的な酸化チタン型では紫外線が重要になりますが、室内向けには可視光を利用できるタイプもあります。
そのため、「光触媒なら室内のどこに塗っても同じ」とは考えません。
窓際なのか。壁なのか。天井なのか。照明が届く場所なのか。
施工する場所と使用する製品の性能を合わせて考えることが大切です。
室内だけでなく
外壁のカビ・コケ対策にも
長雨の影響を受けるのは、室内だけではありません。
外壁、コンクリート、ブロック塀なども、雨が続けば濡れている時間が長くなります。
特に北面や日陰などは乾燥まで時間がかかり、カビやコケが気になることがあります。
当社の光触媒コーティングは防カビに加え、屋外の湿気が多い場所でのコケ防止や、親水性を利用したセルフクリーニングです。
屋外の場合は、カビ・コケを抑えることだけでなく、雨を利用して汚れを流れやすくすることも光触媒の使い方のひとつです。
長雨は汚れの原因にもなりますが、親水性のある光触媒では、その雨水をセルフクリーニングへ利用する考え方もあります。
光触媒を施工しても
掃除は必要
光触媒コーティングについて、「一度施工したら何もしなくていい」と考えるのはおすすめしません。
室内ならホコリや油汚れは発生します。
外壁なら土ぼこりや泥なども付着します。
光触媒は、砂や土を消してなくす材料ではありません。
表面が大量の汚れで覆われれば、コーティング本来の働きを生かしにくくなります。
光触媒は清掃をゼロにする施工ではなく、日常のメンテナンスに防カビ・防汚という考え方を加える施工として考える方が現実的です。
「生えてから」ではなく
「生える前」を考える
毎年同じ場所にカビが出るのであれば、一度原因を見直した方がいいかもしれません。
換気。結露。漏水。日当たり。清掃方法。
そして、表面そのものの防カビ対策。
光触媒コーティングも、その選択肢のひとつです。
生えてから何度も落とすのか。
きれいにしたあと、次に生えにくくする対策まで考えるのか。
長雨のあとだからこそ、建物のメンテナンスを見直すタイミングでもあります。
まとめ|長雨によるカビ対策は
「湿気対策+表面対策」で考える
湿った状態が長く続けば、結露や乾きにくい場所などでカビが発生しやすい条件が整うことがあります。
だから対策はひとつではありません。
結露や漏水の原因を確認する。
今あるカビを除去する。
そして必要に応じて、光触媒コーティングで表面の防カビ対策を行う。
光触媒だけですべてを解決するのではなく、建物の状態に合わせて組み合わせることが大切です。
カビは、黒くなってから気付くことが多いものです。
だからこそ、記録的な長雨を経験した今、一度「生えてから落とす」だけではない対策を考えてみてもいいのではないでしょうか。
光触媒コーティング・
防カビ対策をご検討の方へ
当社では、住宅、店舗、施設、外壁などの状態を確認し、現在のカビや汚れへの対応から光触媒コーティングまでご相談いただけます。
すでにカビがある場合も、その上からそのまま施工するのではなく、現在の状態を確認してから必要な工程を判断します。
「毎年同じ場所にカビが出る」
「長雨のあとから壁や外壁のカビが気になる」
「光触媒をどこに施工できるか知りたい」
という段階でもご相談ください。